ラストワンマイルの効率化|再配達を減らすために何を測るか
再配達率は結果指標であり、下げるには前段の設計が要ります。置き配・宅配ボックス・時間指定の使い分け、不在の発生パターンの分析、荷主側でできる対策を実務ベースで解説します。
この記事の要点
- 再配達率を下げる最大の要因は、置き配の可否を注文時点で確定できているか
- 不在は「配達時間帯」と「住居形態」で傾向が分かれる。一律の対策は効きにくい
- 荷主側で効く対策は、注文時の受取方法の選択肢設計と、事前通知の精度
- 効果は再配達率だけでなく、1個あたり配送コストと配達完了までの日数で測る
再配達は配送コストの押し上げ要因ですが、「再配達率を下げる」という目標だけでは打ち手が定まりません。不在の発生には条件があり、それを特定しない限り対策は総花的になります。
本記事では、荷主側の視点で何を測り、何を設計するかを解説します。
再配達を決めるのは注文時点
| 段階 | できること | 影響度 |
|---|---|---|
| 注文時 | 受取方法の確定(置き配、宅配ボックス、時間帯) | 最大 |
| 出荷時 | 配送方法の選択、事前通知 | 中 |
| 配達直前 | 到着予定の通知 | 中 |
| 不在後 | 再配達の受付 | 小(すでに発生している) |
注文時点で受取方法が確定していれば、不在そのものが問題になりません。配送会社側の工夫より、購入フローの設計のほうが影響が大きい領域です。
受取方法の選択肢設計
| 方法 | 適した商品 | 設計上の注意 |
|---|---|---|
| 置き配 | 常温、中低額、日用品 | 置き場所の指定、完了写真 |
| 宅配ボックス | サイズが収まるもの | 満杯時の扱い |
| 時間帯指定 | 高額品、生鮮 | 指定が集中すると配送効率が落ちる |
| コンビニ・店舗受取 | 小型、急がない | 受取期限の管理 |
| 対面必須 | 高額、年齢確認が必要 | 不在リスクを許容 |
すべての商品を同じ選択肢にしないことが要点です。高額品に置き配を許すとトラブルが増え、日用品に対面必須を求めると不在が増えます。
商品カテゴリごとに、選択できる受取方法を制御する設計にしてください。
不在の傾向を分析する
| 分析軸 | 典型的な傾向 |
|---|---|
| 時間帯 | 平日日中が高い |
| 住居形態 | 集合住宅(オートロック)が高い |
| 曜日 | 平日 > 土日 |
| 地域 | 都市部の単身世帯が多い地域で高い |
| 商品カテゴリ | 相関は小さいが、注文時の指定率に差 |
この傾向が分かると、対象を絞った対策が打てます。たとえば「平日日中の集合住宅向け配送」に対してのみ、注文時に置き配を強く推奨する、といった設計です。
全顧客に一律で置き配を促すより、効果が高く、顧客体験への影響も小さくなります。
置き配のリスク管理
| リスク | 対策 |
|---|---|
| 盗難 | 対象商品の限定、置き場所の指定、完了写真 |
| 破損(雨天) | 防水梱包、悪天候時の扱いの取り決め |
| 誤配 | 完了写真での確認 |
| 顧客とのトラブル | 補償条件の事前明示 |
配達完了時の写真記録が、トラブル対応の負荷を大きく下げます。「届いていない」という申告に対して、置き場所の写真で確認できる状態にしておきます。
事前通知の精度
| 通知 | 効果 |
|---|---|
| 出荷通知(前日) | 受取準備を促す |
| 配達予定通知(当日朝) | 在宅可否の確認 |
| 到着直前通知(30分前) | 受取率の向上 |
| 再配達の受付 | 事後対応 |
到着直前通知は受取率への効果が大きい一方、配送状況の正確な把握が前提になります。予定と実際がずれると、かえって不信につながります。
効果の測り方
| 指標 | 意味 |
|---|---|
| 再配達率 | 主目的 |
| 1個あたり配送コスト | 総合的な効率 |
| 注文から受取完了までの日数 | 顧客体験 |
| 置き配選択率 | 施策の浸透 |
| 置き配起因のトラブル件数 | 副作用の確認 |
| 時間指定の集中度 | 配送効率への影響 |
時間指定の集中度を見落とさないでください。再配達を減らすために時間指定を推奨した結果、特定時間帯に配送が集中して効率が落ちることがあります。
進め方
| 時期 | 取り組み | 到達点 |
|---|---|---|
| 1か月目 | 不在データの分析(時間帯・住居形態別) | 傾向の把握 |
| 2か月目 | 商品カテゴリ別の受取方法の設計 | 選択肢の整理 |
| 3か月目 | 注文フローへの組み込み、通知の設計 | 顧客への提示 |
| 4〜5か月目 | 対象を絞った推奨の実施 | 選択率の向上 |
| 6か月目以降 | トラブル対応の運用改善、対象拡大 | 定着 |
まとめ
ラストワンマイルの効率化は、注文時点で受取方法を確定させることが最も効果的です。配達段階での工夫より、購入フローの設計が結果を左右します。
不在には条件があるため、対象を絞った推奨が有効です。そして効果は再配達率だけでなく、1個あたり配送コストと受取完了までの日数を併せて見てください。
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参考
よくある質問
- Q. 再配達を減らすために荷主側でできることは?
- 注文時点で受取方法を確定させることが最も効きます。置き配の可否、宅配ボックスの有無、時間帯の希望を注文フローで取得し、配送データに引き渡す設計です。配送会社に委ねるより、購入時点で顧客の意向を取るほうが確実です。
- Q. 置き配はトラブルになりませんか?
- 盗難・破損のリスクがあるため、対象商品と条件の設計が必要です。高額商品や生鮮品は対象外にする、置き場所を注文時に指定させる、配達完了時の写真を記録するといった運用で、トラブルの発生率と発生時の対応負荷を抑えられます。
- Q. 不在の傾向はどう分析しますか?
- 配達時間帯、住居形態(戸建て/集合住宅)、地域、曜日で不在率を集計します。多くの場合、平日日中の集合住宅で不在率が高くなります。この傾向が分かれば、該当条件の配送に対してのみ置き配や時間指定を強く促すといった、対象を絞った対策が打てます。
- Q. 効果の指標は何が適切ですか?
- 再配達率に加えて、1個あたりの配送コストと、注文から受取完了までの日数を見てください。再配達率が下がっても、時間指定の集中で配送効率が落ちればコストは増えます。顧客体験の観点では、受取完了までの日数が重要な指標になります。
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Pactom 編集部
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